歌人プロフィール

皇族

恋に悩んだ2人が皇族に当たる。一人はスキャンダルで引き裂かれ、もう一人は独身を貫く。階級社会の上位にあっても恋の悩みは変わらずただの男と女。

20

もとよししんのう

元良親王

わびぬれば
今はた同じ 難波なる
身をつくしても
逢はむとぞ思ふ

悩んださ
いまさらなにも かまわない
身を尽くしても
逢いたいだけです

世間の非難を気にしないほど熱い恋心を歌う

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エピソード
宇多天皇の后妃との身分違いの恋愛スキャンダルが発覚。謹慎の最中に后妃に送った和歌とされる。

女好きの皇子

暴君で名を知られた陽成院(13番)の1皇子。本当は天皇になる予定だったものの、とうとう就けずじまいとなる。それも影響してか、興味は和歌や恋へ向く。皇族の中でも当代指折りのプレイボーイで、美人ときけば身分問わずに歌を送っていたらしい。

◆享年:
53歳
◆関係:
陽成院(13番)
◆役割:
兵武将(軍事関連雑務全て)
◆作品:
家集
◆勅撰和歌数:
20首
元良親王

89

しきしないしんのう

式子内親王

玉の緒よ
絶なば絶えね ながらへば
忍ぶることの
よわりもぞする

ネックレス
切れてもいいのよ このままじゃ
心もそのうち
はじけて消えそう

穏やかな中にも、激しい恋心を絶唱する

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エピソード
「忍ぶる恋」のお題で詠まれた題詠歌。

生涯独身

10歳から20歳くらいまでは賀茂神社の斎院(神社に奉仕する皇女をそう呼ぶ)を務めたが、病気のため辞任。その後に出家する。保元・平治の乱、源平の争いの中で生き、皇女という立場から幽閉され、親しい人を次々と無くすという耐え難い悲しみと数奇な運命を辿るお姫様。

◆享年:
52歳
◆関係:
後白河天皇3皇女
◆役割:
賀茂斎宮
◆作品:
家集
◆勅撰和歌数:
156首
式子内親王