歌人プロフィール

官人 一位

最も天皇に近い身分であり、天皇以外の人間が天下を目指す官位である。家柄、和歌の才能、政治力、人望など、全てにおいて優秀でなければならないエリート官位。

14

みなもとのとおる

源 融

かわらのさだいじん

(河原左大臣)

陸奥の
しのぶもぢずり 誰ゆゑに
乱れそめにし
われならなくに

東北の
しのぶ摺りだよ 誰のせい
乱れ模様は
僕からじゃない

秘めた片想いをしのぶ摺りの着物に例えて

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エピソード
当時心変わりを疑われて送った歌。相手は、当時密かに片思いをしていた女性。

光源氏のモデル

嵯峨天皇の十三皇子だが、臣籍に下り源氏の姓を受け臣下となったため、天皇に立候補しても聞き入れてもらえなかった。その際の恨みのエネルギーは豪華絢爛な屋敷に現れた。百人一首名はその屋敷名から取られている。

◆享年:
73歳
◆役職:
左大臣
◆役割:
業務取締、政治統治
◆作品:
なし
◆勅撰和歌数:
4首
源融

26

ふじわらのただひら

藤原忠平

ていしんこう

(貞信公)

小倉山
峰のもみぢ葉 心あらば
今ひとたびの
みゆき待たなむ

小倉山
山の紅葉に わかるなら
次の行幸を
きっと待つでしょ

紅葉を人に例え、まだ散らないように訴える

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エピソード
紅葉狩りへ行った時、息子醍醐へ見せたいと言った宇多院の気持ちを代わりに汲んだ一句。

聡明な忠臣

幼くして聡明。道真を左遷させた兄・時平と違って寛大で温厚な性格とされている。時平が左遷させた菅原道真(24番)とも仲が良かったようで、手紙のやりとりをするなど、交流があった。

◆享年:
69歳
◆役職:
関白、太政大臣
◆役割:
天皇に代わり政務を務める
◆作品:
貞信公日記
◆勅撰和歌数:
なし
藤原忠平

76

ふじわらのただみち

藤原忠通

ほっしょうじにゅうどうさきかんぱくだじょうだいじん

(法性寺入道前関白太政大臣)

わたの原
漕ぎ出でて見れば 久かたの
雲ゐにまがふ
沖つ白波

海原に
漕ぎ出してみれば 大空の
雲とひとつだ
沖の白波

海と空の伸びやかさを臨場感たっぷりに歌う

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エピソード
崇徳院主催が主催した歌合の「会場遠望」というお題が出された際に読まれた。

出家したエリート

既に形骸化した摂関政治を切り盛り、25で関白となり、父、異母兄弟の弟との諍いは保元の乱に発展する。(ちなみにその後勝利した後白河天皇側。実験を握る)

◆享年:
67歳
◆役職:
関白、太政大臣
◆役割:
天皇に代わり政務を務める
◆作品:
家集、日記「法性寺関白記」他
◆勅撰和歌数:
58首
藤原忠通

91

ふじわらのよしつね

藤原良経

ごきょうごくせっしょうさきのだじょうだいじん

(後京極摂政前太政大臣)

きりぎりす
鳴くや霜夜の さむしろに
衣かたしき
ひとりかも寝む

こおろぎも
鳴くか霜夜の 冷え筵
着物を敷いて
ひとり寝るのさ

一人寝がもの悲しい秋の夜を歌う

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エピソード
妻を亡くしたばかりの時期に詠まれたとされる。

繊細なエリート

幼くして聡明。道真を左遷させた兄・時平と違って寛大で温厚な性格とされている。時平が左遷させた菅原道真(24番)とも仲が良かったようで、手紙のやりとりをするなど、交流があった。

◆享年:
37歳
◆役職:
太政大臣
◆役割:
天皇に代わり政務を務める
◆作品:
日記「殿記」他 2作品
◆勅撰和歌数:
なし
藤原良経

96

ふじわらのきんつね

藤原公経

にゅうどうさきかんぱくだじょうだいじん

(入道前太政大臣)

花さそふ
あらしの庭の 雪ならで
ふりゆくものは
我が身なりけり

満開の
嵐の庭は 雪のよう
そこに降るのは
自分自身だ

権力があっても訪れる老いへの恐怖を詠む

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エピソード
自らの老いをふと自覚する深さを 兼ね備えた歌であることから晩年も歌われたとされる。

和歌の風流人

鎌倉時代、幕府寄りの公家として幕府と朝廷の仲立ちをした。私利私欲で行動し、己の欲求に従って行動するタイプ。承久の乱で出世した。しかしその後、61歳で出家している。金閣寺の前身に住んだことでも有名。

◆享年:
73歳
◆役職:
太政大臣
◆役割:
天皇に代わり政務を務める
◆作品:
なし
◆勅撰和歌数:
30首
藤原公経